小湊伊純は走る~動きで見るポッピンQ~

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ポッピンQは走る。走る。とにかく走る。

主人公である小湊伊純は陸上部に所属し、中学3年で100mを12秒切るような全国でもトップレベルの俊足である。ポッピンQを一度でもご覧になった方は、公開前の特典映像からそうだが、開幕、戦闘、大事な場面、ラストまで走っている伊純の姿が印象として残っているのではないだろうか。もちろん私もその一人である。

 

走るという動作は、前述の通り本作の主人公である伊純のキャラクターを印象づけるものであるが、同時にアニメーションとしての動きを生み出し、その方向によって物語の進行や心情、力関係などを表現する演出の一部であるというのは多くの人が認識していることであろう。ただ、どこまで意図的に作っているか、自身の作風として取り込んでいるかについては演出家ごとに特徴が異なっているはずである。

 

タイトルの通り、今回書きたいことはポッピンQにおける向きと構図である。ただ、それを伝えるためには、前提として私の頭に何があるのかということから始めなければいけないと思うのだが、かわりに一冊の本を紹介することで説明とさせて頂きたい。

 

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

 

 内容については、それはもう多くの方が解説されている名著なので、もしまだ読んだことがない方は手にとって頂きたい。私の感想を簡潔に述べておくと、わかっている人は言葉にするまでもなくわかっていることを理論として体系だてていること、そして何よりも原則を絶対的なものではないと自身で語っている所に価値があったという感じだ。

 

前回書いた「評価」に関する記事と同様、今回の記事に関しても自分自身の強い主張を伝えるとかではなく、ちょっと頭に浮かんだ問いを書いてみようという気持ちである。結論というものがないので、まずは動きが大きい場面ごとにポッピンQ本編ではどうなっていたか書いていこうと思う。

 

 

※以下本編のネタバレ有り!!(画像は現在も公開されてる動画から)

 

 

①冒頭

顔のアップ↓から始まり道を辿って最終的に→

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②100m

→(陸上競技場のメインスタンドから見る方向)

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※電車の進行方向

←学校へ向かう方向 伊純が乗る方向→

 

③キグルミ 

→で逃げ始めて、あさひが待っている方向へ←

 

グロスと対峙

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⑤コロシアム

⑥戦闘終了後、レノと対峙

←(レノとレミィ&沙紀の間に伊純が入り←を向く構図)

⑦橋を渡るシーン

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⑧黒〇〇

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⑨別れ

⑩校門まで

⑪校舎から体育館の流れ

⑫美晴ちゃんへのバトン

→と思いきや←

⑬卒業は新しいスタートライン

← ↓顔のアップで〆

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他にパッと思い出せるところで言えば

・蒼の投げる紙飛行機の方向は→

・入学式でのキリシマ君(彼が下手、学生は上手)

・ラストのラスト(赤い球体は下手、沙紀と伊純は上手)

 

ただ、このように対比や上手下手の関係については挙げ始めるとキリがない。そして、全てを意図的にやっているのか、大事なシーンだけは意図的にしているか、全く無意識(経験)で絵コンテを切っているかは想像の域をでない。(第3回ファンミーティングの中で、若干情報は出ていたがそれはたった一つの事実ではない。)

以上のことを踏まえて、それでも妄想として自分が考えているのは

・物語序盤の進行方向は→の傾向。時の谷に入ってから基本的な進行方向は←

・→については後向きという感じ。←は前向き、立ち向かうという感じ。

・戦闘においては上手が強い。

・全体的に変わる分岐点は⑤と⑥の間で「超えた」ところ

という感じ。これが正しいのか、間違っているのかを議論したいのではなくて、私はこんな感じの印象として受けとりましたってことを書きたかった。そして、ファンミーティングの時にもしも当ててもらえたなら質問しようと思っていたことなのだ。残念。

 

...しかし!な、な、なんと、宮原監督や金丸Pに直接の質問ができなくても、新たに考える材料になる公式資料集、ポッピンQプロダクションノート「THE BEGINNING OF THE YOUTH」4/28に発売になるのだ。

 

ポッピンQプロダクションノート『THE BEGINNING OF THE YOUTH』

ポッピンQプロダクションノート『THE BEGINNING OF THE YOUTH』

 

 

キャラクター設定と美術設定をふんだんに盛り込み、さらに名場面の背景美術を加えた「設定資料集」と、黒星紅白先生の原案イラスト、宮原監督イメージボード、絵コンテ、動画、さらに完成台本までを収録した「プロダクションノート」の豪華2冊組み!これはもう買うっきゃない!

 

見る度に新しい発見があり、見る度に心に強く残る作品「ポッピンQ」

BD/DVDの発売6/2に控え、まだまだ今後の展開から目が離せない。